航空機のおはなし

中古機ならいくら?ヘリコプターの値段を徹底調査

新車ヘリコプターお値段については「以前ヘリコプターの価格ってどれくらい?宝くじ当たったら買える?」でご紹介しました。

航空機にも車と同じように中古市場というものがありますので、今回は中古機の値段について調べてみました。

…ですが、日本国内では航空機の売買は活発ではなく、さらに価格を公表しているパターンがほぼありませんので、海外の販売例を見てみましょう。

値段を比較できるように以下の条件で揃えました。

  • 飛行するための部品が揃っていること
  • 事故歴がないこと
  • 飛行時間が分かること
  • 登録から20年前後の機体であること

それでは早速見ていきましょう!

ロビンソン R44

まずは遊覧飛行、個人所有機の定番、ピストンエンジンを搭載したR44です。

価格も安くシンプルな構造で信頼性も高いことから世界的なベストセラー機となっています。

2005年製のT.T. (Total Time)、つまり総飛行時間 2980時間のこちらの鮮やかなブルーがカッコいい機体は258,000ユーロ

日本円に換算して約3,600万円 (140円/1ユーロ)

2008年製、T.T. 2,520時間の白い機体にライムグリーンのワンポイントが映えるこちらの機体は 565,670オーストラリアドル。

日本円に直すと 約5,370万円 (95円/AUD)

なんと、モノによっては新車価格とほぼ変わらない結果となりました。

車でいう所の軽自動車と同じで、買いやすい値段で人気もあることから値落ちも少ないということでしょうか。

エアバスヘリコプターズ AS350 / H125

こちらも世界的ベストセラー機です。

タービンエンジンを搭載した小型機で、余裕のパワーで物資輸送にも使用されます。

2006年製 T.T. 2,356時間のこちらのウクライナで使用されていたガンメタの機体は日本ではなかなか見かけない革のシートです(VIP機だったのでしょうか?)

お値段は1,200,000ドル

日本円で約1億6800万円です。

飛行時間も少なく、安いと感じますね。

2007年製 T.T. 4,785時間のこちらのワンオーナー機は荷物を吊り下げるためのカーゴフックや、吊り下げた荷物を視認するためのカーゴミラーも付いて、バリバリ仕事をしていた機体という感じです。

お値段は 3,423,791オーストラリアドル

なんとも中途半端な値付けですが、意味はあるんですかね…

日本円にして約3億2500万円です (95円/AUD)

他の機体も見るところ、相場はだいたい2~3億円といったところでしょうか。

MDヘリコプターズ MD902

ドクターヘリでよく使用されるこちらの機体はどうでしょうか。

コードブルーでも使用されている機体です。

2001年製 T.T. 2,757時間のこちらの機体は2015年に Refurbished (車で言うレストアに近いニュアンス)をしてきれいになった機体です。

リファービッシュでは配線類も交換するので、不具合の頻度がグッと減ります。

お値段は 3,274,931ドル

日本円で約 4億5800万円 です(140円/ドル)

2006年製 T.T. 952時間のこちらの機体は先ほどの機体と同じく2016年にリファービッシュが実施されているようです。

機内は完全にVIP仕様ですね。

シエナレザーのシートに木目のサイドテーブル、外観のオレンジ塗装はランボルギーニオレンジだそうです。

ランボルギーニのお偉いさんが乗っていた機体でしょうか。

ほとんど飛んでないこちらのヘリコプターのお値段は 7,443,025オーストラリアドル

日本円で約7億円です。

MD902はリファービッシュを終えた機体が多いのが印象的でした。

その分価格も高めとなっているようです。

ベル 412EP

つづいて日本においては防災ヘリコプターや警察ヘリコプターとして多く導入実績のあるベル412EPです。

2007年製 T.T. 2,451時間のこちらの機体はEMS Provision と記載があるので、救命ヘリとして運用されていたのでしょうか。

お値段は 4,450,000ドル

日本円で6億2300万円ですね。

いつもは中古機市場にも多く出回っているベル412ですが、近ごろ少ないような気がしますね。

20年前後で価格が一般に公開されている機体が無かったので、やむなく1995年の機体です。

T.T. は 7,029時間で、レスキュー用途で使われていた機体のようです。

お値段は 6,103,280 オーストラリアドル

日本円で約5億8000万円です。

ベル412は元が軍用機なだけあって頑丈な造りのため、40年50年はざらに飛べる機体になっています。

それを考えると20~30年落ちの機体を6億円程度で買えるなら選択肢としてはアリかなと感じました。

アグスタ(レオナルド) AW139

残念ながら現在中古機市場に出ている機体で価格が公開されているものは皆無でした。

そこで過去の取引実績を調べたところ、$5,500,000~$9,600,000で取引されていることが分かりました。

これは現在のレートで日本円に直すとおおよそ10億円前後となります。

シコルスキー S92

ヘリバスと言われるほど大きな機体のシコルスキー S-92ですが、こちらも現在売り出し中の機体は公開されていませんでした。

過去の取引実績では平均 $16,750,000

日本円で23億4500万円です。

新車価格から考えると安いのかもしれませんね。

ただしS-92はオフショア(石油リグへの人員輸送)で多く使用されている機体です。

購入を考えている方(いるかな?)は飛行時間や、塩害による腐食などのチェックは忘れないでくださいね!

中古ヘリコプターの値段はどうやってきまるの?

ここまで見てきたように同じヘリコプターでも価格差があることが分かると思います。

それでは中古機の値段はどのように決まるのでしょうか。

年式

車と同じように経年によって劣化していく部品がありますので、当然年式は考慮されます。

しかし車では一般的に10年が寿命と言われますが、航空機はもっと長い期間飛びます。

国内ヘリコプター運航最大手の朝日航洋の安全報告書を見ると、運航機の平均機齢を見られますが、平均で37年となっている機種もあるので40年を超えた機体もいると推察されます。

ちなみに、税制上の耐用年数は5年だそうですが、普通自動車の耐用年数は6年ですので、それよりも短いという事になりますね。

飛行距離

車でいう所の走行距離。

飛行距離が伸びれば価値も落ちていくというのはお判りになると思います。

ただヘリコプターの場合、用途によって飛行距離は全く違ってきますし、同じ距離を飛ぶのでも空輸と物資輸送では機体構造への負担も全く違います。

そういう意味では飛行距離は運用用途と併せて考慮されるべきかなと思います。

書類

これが車とは一番違う点ですね。

航空機は書類が揃っていて初めて飛ばすことが出来ます。

適当な国・地域だったり、前オーナーが個人であったりすると書類に不備がある可能性があります。

そうなれば部品交換や検査のやり直し等が必要になることから、書類の有無で大きく価値が違ってきます。

中古ヘリコプターを買う際は、以上3点に気を付けてください!

まとめ

以上、今回は中古ヘリコプターの相場についてみてきました。

こちらの新品ヘリコプターの値段について書いた記事と比べながら読んでもらえると面白いと思います。

値落ち率は小型機ほど小さく、ロビンソンR44においては新品とそれほど変わらない価格で売り出されていました。

ただ、今回調べてみて感じたのは中古機市場に出ている絶対数が少ない!?ということです。

新品が長納期になっていて、その結果中古にユーザーが流れて流通数の減少と価格の高騰という、車と同じ現象がヘリコプターでも起きているのでしょう。

自家用ヘリコプターの購入は少し待った方がいいかもしれません(考えている人がいるか知りませんが)

次は旅客機やプライベートジェットなどの固定翼の価格でも調べてみようと思います。

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