こんにちは、今回はヘリコプター価格に続いて飛行機の値段をご紹介します。
いわゆるセスナ機のような小型飛行機から、A380やジャンボジェットなどの大型飛行機までまとめましたのでぜひ最後までご覧ください。
この記事の信頼性について
- この記事は現役の航空整備士が書いています
- 価格の数字はメーカーのプライスリストや、海外の中古機取引の情報から得ています
- 販売価格と乗り出し価格には差があります
- 為替レートは1$ = 130円で計算しています
(※記事を書いた後に急激に円安が進み、2023年11月末時点でのレートは1$=150円ほどになっています)
個人で買うならやっぱり小型機!
パイパー PA-28 チェロキー(Piper PA-28 Cherokee)
アメリカの航空機メーカーであるパイパーエアクラフト社製の軽飛行機であるPA-28 チェロキーは安価で信頼性のある軽飛行機として世界中で人気を博しています。
日本においては自家用機として使用されることが多い様で、ほとんどが個人所有、あるいは共同所有になっています。
PA-28 チェロキー の新車価格 $201,000
日本円にして約 2,600万円
メルセデス・ベンツの マイバッハSクラスより安いんです!
これ衝撃じゃないですか!?
富裕層の皆さま、税金対策に1機いかがですか?
セスナ 172S スカイホーク(Cessna 172 Skyhawk)
いわずとしれたベストセラー機ですね。
Cessna(セスナ)社はアメリカのカンザス州にあるメーカーです。
軽飛行機やビジネスジェットを中心に製造する同社の中でも172シリーズはピストンエンジンを採用した軽飛行機で、世界で最も売れているベストセラー機のため、飛行機に詳しくない方でも目にしたことはあるのではないでしょうか。
172Sスカイホークは172シリーズの中でも最新の型式で、現在も製造・販売が続けられている機体になります。
日本においてはパイロット訓練の他、航空写真の撮影、遊覧飛行などの用途に使われています。
172Sの新車価格 $432,000
日本円にしておよそ5600万円
イメージと比べてどうでしたか?
僕は超富裕層とよばれる金融資産5億円以上の仲間入りできれば1機購入すると思います!
ちなみに2021年の調査では日本に超富裕層は9万世帯いるそうです。
そう考えると日本の航空機の登録数ももう少し増えても良いのになと感じます。
ビーチクラフト G36 ボナンザ(Beechcraft G36 Bonanza)
単発ピストン機のなかでも人気の高いG36は、アメリカのビーチクラフト社が開発した低翼機で、軽飛行機といわれる小型飛行機の中では高価な機体に仕上がっています。
日本ではパイロットを養成する航空大学校が多くの機体を導入して、訓練に用いています。
G36 ボナンザ の新車価格 $925,000
日本円にして 約1億2000万円
今23区内にファミリーで住める広さの新築マンションを買おうと思うと大体これくらいでしょうか。
庶民には手が届きませんね…
地域航空・ローカル線の輸送の要 小型プロペラ旅客機
ボンバルディア Q400(Bombardier Q400)
ボンバルディアはカナダのケベック州に本社を置く航空機メーカーで、
Q400はそのボンバルディア社が製造するツインターボプロップ旅客機です。
低騒音、低振動のターボプロップとして快適な飛行を提供してくれています。
国内においてはANAウイングスとオリエンタルエアブリッジ、琉球エアコミューターが運航中している機体になります。
離島路線などで飛んでいるため、どうしても西や南の方で活躍している機体になりますが、機体の特徴としては寒冷地対応に力を入れた機体のようです。
そのため世界に目を向けるとアラスカなどの極地に近い地域で多く運用されているみたいです。
そのQ400の新車価格は $21,000,000
日本円にして約27億3000万円
一気に値段が上がりましたね。
ATR ATR72-600
ATRの源流はフランスのアエロスパシアルとイタリアのアエリタリアが1982年におこしたコンソーシアム(共同事業体)で、現在はエアバスグループとレオナルドグループが半数ずつ株式を持つ企業です。
機体のラインナップはATR42とATR72の2機種のみと、かなり珍しい航空機メーカーですが、近年ボンバルディア機の競合として上で紹介したQ400からの乗り換えを狙ったマーケティングを行っているようです。
ATR72-600は、ATR42-600より胴体が4.5m長く、座席数は22席多い機材です。
高い快適性と環境性能(低燃費、低騒音)を兼ね備えた最新鋭ターボプロップ機で、ローカル路線のフライトに最適化された機体に仕上がっています。
日本エアコミューターが運航するATR72-600は特別仕様機になっていて、なんと急患搬送用のストレッチャーが設置できるようになっているみたいです。
そのATR72-600の新車価格は $26,000,000
日本円にして約33億8000万円
国内線の主力 小型ジェット旅客機
エアバス A320neo /321neo(Airbus A320neo / 321neo)
A320シリーズはエアバス社の旅客機で最もポピュラーな単通路ナローボディ機です。
様々な派生型が作られており、胴体短縮版のA319や胴体延長版のA321などで座席数は110から220まで幅広くカバーしています。
日本のエアラインではANAグループをはじめ、スターフライヤー、ピーチ・アビエーション、ジェットスターなどで運航されていて、国内でも目にすることが多い機体になっています。
A320の新車価格は $110,600,000
日本円にして約143億8000万円
A321の新車価格は $129,500,000
日本円にして約168億3500万円 となっております。
ボーイング 737MAX(Boeing 737MAX)
ボーイング737は皆さんご存じの通り、世界で最も多く飛んでいる旅客機シリーズです。
1967年の初飛行以来、半世紀にわたり連綿と改良を重ねながら2023年1月までに各種バリエーション累計11,000機以上が製造され、現在も製造されています。
その737シリーズの新世代機が737MAXです。
737MAXには737-800型の後継機である737-8の他、短縮型の737-7や延長型の737-9、737-10がありますがここでは標準型とされる737-8の価格について調査しました。
737-8の新車価格 $121,600,000
日本円にして約158億円
国内線だけじゃなく長距離路線でも大活躍の中型旅客機
エアバス A350-900(Airbus A350-900)
エアバスのA350は2013年に初飛行を行ったエアバスの新しい中型~大型航空機シリーズです。
市場で独占状態だったボーイングの787に対抗するために開発されましたが、派生型も含めると777とも競合し、機数を増やしています。
日本では唯一日本航空が発注していて、日本航空は今後777等の大型機を順次退役させていく予定があることから、このA350-900とその胴体延長型のA350-1000が日本航空の次世代フラッグシップとして活躍していくものと思われます。
そんなエアバス A350-900の新車価格は…$317,400,000
日本円でおよそ412億6000万円ほどになります。
ボーイング 787-8 ドリームライナー(Boeing 787-8)
次世代中型機として鳴り物入りで搭乗したボーイング787 ドリームライナーはそれまでの同クラスの機体と比べて大幅な低燃費を実現していて、航空会社の運航コスト低減にも役立っています。
また客室にも次世代機ならではの電子シェードや、LED照明、空調システムなど快適に過ごせる装備も充実しています。
特に機体の主要構造にCFRP(炭素繊維)を利用したことによって実現した空調システムは、これまで難しかった加湿にも対応しており、より長距離フライトの負担を軽減してくれます。
当然上で紹介した後発のエアバスA350も同様のシステムを導入してきており、今後はスタンダードな形となりそうです。
そんな旅客機に革命を起こしたボーイング 787-8 新車価格は $248,300,000
日本円で322億8000万円ほどになります。
みんなのあこがれ大型旅客機
ボーイング 777-9(Boeing 777-9)
777-9はボーイングの大型ワイドボディ機である777シリーズの次世代型機で、777-3000ERの後継機といえるでしょう。
その全長は76.72メートルと、世界最大の双発機(エンジン2基)で座席数は426席を実現しました。
多くの実績を持つ777型機に787ドリームライナーで装備した大型の窓、広々としたキャビン、快適な温度と湿度、静音性、新しい照明などを採用することによって、空の旅をより心地よいものにしています。
大きな特徴としてはその大きな機体を持ち上げるだけの大きな揚力を発生させるために、主翼も非常に大きくなっています。
そのため既存の空港設備を活用できない、といった事態を避けるために、主翼の先が折りたためるようになっています。
駐機中は折りたたんでおき、飛行時には7メートル長くなるように展開することができます。
最新鋭のボーイング 777-9の新車価格は$442,200,000
日本円ではなんと!574億8600万円になります。
エアバス A380(Airbus A380)
A380は世界初の総2階建ての飛行機で、世界最大の旅客機で、その座席数は最大で853席を設けることが可能になっています。
日本においてはANAが成田-ホノルル線専用機として2機を運航しています。
ANAは座席間の間隔を広げたりプレミアムシートを増やすなど、ゆとりを確保する形で520席での運用を行っています。
世界最大のA380ですが、世界的なダウンサイジングの流れやコロナの影響もあり、既に生産終了・全機引き渡しが完了しています。
そんなエアバス A380の新車価格は$445,600,000
日本円で579億2800万円です。
機体がビッグなら価格もビッグですね!!
番外編~ちょっと変わった飛行機たちの値段~
747-8F フレイター[貨物ジャンボ](747-8F Freighter)
いわゆるジャンボジェットと呼ばれてきたボーイングの最新型747の貨物機がこの747-8フレイターです。
日本の航空会社では唯一、日本貨物航空(ANA Cargo)が保有しています。
そんなボーイング B747-8 Freighterの新車価格は$419,200,000
日本円で約545億円です。
旅客型の747-8が$418,800,000(約544億円)と約1億円の差があります。
一見旅客機の方が座席や機内のエンターテイメント装備などがあり高価になりそうな気がするんですが、フレイターの方が高いんですね。
詳しくは調査できませんでしたが、フレイターはノーズカーゴドアと呼ばれる、機首部分が開く構造になっていて、その機構や補強にコストがかかっているためと思われます。
日本国 政府専用機(Japanese Air Force One)
日本の政府専用機はボーイングの777-300ER型を改修したものになります。
その調達価格は2機で1355億円、つまり1機当たり677億5000万円という事になります。
納入された2018年当時の旅客機タイプ 777-300ER型機の価格表を調べると、$361,500,000で、当時の為替レートは1$ 104円~112円程度なので110円とすると、約397億6500万円です。
政府専用機には貴賓室や会議室、記者会見室などすべてが特別仕様なので、これだけ高くなってしまうんですね。
機内には記者などが同行する際に使用される一般客席もありますが、こちらもプレミアムエコノミーと同等の仕様になっているとのことです。
ちなみに、2019年に退役した旧政府専用機は、B747-400型をベースに作られたものでしたが、こちらの価格は2機で359億6200万円と、今考えると破格の安さと感じてしまいますね。
まとめ
小型機から超大型機まで様々な機体の値段をご紹介してきました。
飛行機といっても安いものでは2600万円から、一国の顔として世界中を飛び回る政府専用機は700億円に迫る価格、調べていても面白いなと感じました。
中には個人で軽飛行機が欲しいなぁと思って、見に来てくださった方もいるかもしれません(いるかな?)
老婆心ながらご忠告しておくと、メーカーのプライスリストに載っている値段に輸入代理店に支払う手数料や輸送費、書類代など色々な追加費用が発生しますので、もし個人で購入を考えている方がいれば気をつけてくださいね!!
それと航空機は維持費も大きいので注意が必要です。
アメリカの郊外みたいに滑走路付きの家は持ってないし買うのは諦めるか。。。
という方は飛行機を使った旅行はいかがでしょう。
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