航空整備士のおはなし

【航空整備士】飛行機とヘリコプター、業務内容もやりがいもこんなに違う!!

2021年6月10日

こんにちは、フライト兄貴です。

「航空整備士」皆さんのイメージする仕事の内容ってなんですか?

一般の方が普通イメージするのは空港で飛行機が到着した後に機体を見て回っている姿か、出発の時に手を振っている姿だと思います。

どちらも正解なんですが、もっともっといろんな仕事があるんです。

そんな航空整備士の全体像について説明します。

こんな疑問にお答えします

  • 航空整備士の仕事にはどんなものがあるの?
  • 飛行機とヘリコプターでやることは変わるの?
  • 航空整備士のやりがいってなんだろう

結論

  • 飛行機はライン整備、ドック整備、ショップ整備と各専門に分かれていて専門性の高い仕事をしている
  • ヘリコプターは1人で1機任されるなど、大きな裁量を持って仕事をしている
  • 飛行機とヘリコプター、それぞれ違ったやりがいがある

飛行機の整備士が行う業務とやりがい

まずは飛行機(エアライン)の整備士について解説します。

エアラインではとにかく役割が細かく分かれていて、分業制になっているのが特徴です。

整備の種類としては大きく3種類あって、それぞれ

  • ライン整備(運航整備)
  • ドック整備
  • ショップ整備(工場整備)

と呼ばれることが多いです。

ライン整備

一般の方が空港で目にする機会があるのはこのライン整備士だけですね。

ライン整備とは飛行機が空港に到着してから、次の便として出発するまでの約1時間~2時間の間で機体各部を点検する業務です。

点検結果が良好であればログブックにサインをして、機体を送り出すところまでがライン整備のお仕事になります。

限られた時間で機体全体をくまなく点検する必要があるため、時間との闘いです。

通常2~3人一組で1機を担当して、点検中に不具合が発見された場合は応援を要請する形になります。

業務としては「点検」が主な内容で、「整備」はあまり行いません。

またライン整備の特徴として「MELの適用」があります。

MELとはMinimum Equipment Listの略で、航空機を運航する際に最低限揃ってないといけない装備品というのが定められています。

機体の装備品に不具合が起こって、次の便までに修理することは不可能!

さて、あなたならどうしますか?

このMELというものに従って処置すれば条件付きで運航できる場合があります。

このMELの適用も含めてフライト可否を判断するのがライン整備の仕事です。
(最終判断は機長の責任で行います)

ライン整備のやりがい

  • お客さんに近いところで働くので、やりがいを感じる。
  • 自分が飛行機を飛ばしているんだ!という実感がある。
  • パイロットやグランドハンドリング等、他職種の人と働ける

ライン整備に必要な資格

一等航空整備士もしくは一等航空運航整備士

ドック整備

2つ目がドック整備と呼ばれる、機体を格納庫に入れて時間をかけて定時点検や重整備を行う整備になります。

ここでは大きな足場をセットして、機体にアクセスしやすい状態で部品の交換や修理作業を行っていきます。

ライン整備と違う点は、大きな機体を各部まで詳細に点検する必要があるため、分業制になっています。

例えばエンジン、着陸装置、客室、機体構造。。。など、細かく担当が分かれています。

狭く深くというのがドック整備士の特徴ですね。

ドック整備で難しいところは、不具合には至っていないけどその予兆がある。とか、不具合が多い部品の点検です。

今は整備マニュアル上の基準でも合格扱いとなる部品でも、次に点検するのは何百時間とフライトしたあとです。

それまでに不具合が発生すれば予定外の機体ダウンとなって、お客さんにも迷惑が掛かることになりかねません。

そこで予防整備と言って、次回点検時までに不具合が出そうな部品は交換したりするのですが、この判断が非常に難しいところです。

整備作業には様々なツールや計測器を使いますが、それらを保管している部屋があり、受付で「○○のツールを貸してください」というと、担当の人が持ってきてくれます。

整備士はツールを受け取ったら使用前点検として状態の確認と、数が揃っているかという員数点検をやってから使用するルールになっています。

返却に関しても同じで、受付にもっていけば処理をしてくれるようになっています^^

ドック整備のやりがい

  • 機体のすみずみまで知り尽くせる
  • 長期にわたる大掛かりな整備作業を終えて機体を送り出したときは達成感を感じる
  • 大勢の整備士とチームを組んで働くことができる

ドック整備に必要な資格

一等航空整備士

ショップ整備

3つ目はショップ整備です。

ドック整備において機体から取り外された部品や装備品をより詳細に点検、整備するのが主な仕事です。

各コンポーネントのスペシャリストとして、深い知識や経験が必要とされています。

コンポーネントと一言でいいましたが、どんなものがあるかというと。。。

  • エンジン
  • 計器類
  • 電子装備品
  • 無線機器
  • 発電機
  • 油圧ポンプ
  • 着陸装置

などなど、色んな分野があります。

定められた使用時間に到達した部品や、不具合が発生した部品に対して、

分解から洗浄・点検、そして組立後の試運転や機能確認までを担当します。

不具合を抱えた部品に対してはトラブルシュートを行う事も重要な仕事の一つです。

ショップ整備のやりがい

  • 部品に特化して深い知識や技術を身につけることができる
  • 現場の整備士では対応できないレベルの作業を行うため、技術力が向上する
  • 分解から検査、組立、機能確認まで一貫して担当することができる

ショップ整備に必要な資格

航空工場整備士

ヘリコプターの整備士が行う業務とやりがい

続いてヘリコプターの整備士について解説します。

フライト整備

飛行機でいうところのライン整備にあたる業務ですが、ヘリコプターの整備士はライン整備の内容に加えて、フライト業務も大きなウェイトを占める重要な仕事になります。

例えばドクターヘリ(EMS)運航を例にとって説明しましょう。

朝のスタンバイ開始時間に合わせて飛行前点検を行った整備士は、パイロットと共にスタンバイします。

出動要請が入ると急いで機体のところへ行き、離陸準備と周囲の安全確保です。

エンジンスタートが完了すると整備士は機体に乗り込み、一緒に離陸します。

離陸したら運航要員の一人として、パイロットをサポートします。

具体的には地上との無線のやり取りをしたり、周囲の安全確認をしたり、もちろん整備士としての目線で計器の監視なども同時に行います。

患者さんの搬送を終えて基地に戻ってきたら、燃料補給も自分で行います。

このように非常に幅広い業務があるので、飽きることはないかなと思います。

もちろん地上いる間は整備士として点検や部品交換、トラブルシュートも一手に引き受けて行います。

基本的には1機につき整備士は一人ですので、確かな技術や経験を基に適切な判断をしていく必要があります。

またヘリコプターは、ドクターヘリの他にも防災ヘリや警察、国土交通省など官公庁での仕事を中心に困っている人を助けたり、災害対応の一役を担うなど社会貢献度が大きい仕事が多くあるのも特徴であり、魅力の一つです。

フライト整備のやりがい

  • 機体に同乗してフライト業務を行える
  • 幅広い仕事を一人でやれるので色んな知識が学べる
  • ヘリコプターは社会貢献の側面が強い仕事がたくさんある

フライト整備に必要な資格

一等航空整備士もしくは二等航空整備士

ドック整備

ヘリコプターにももちろんドック整備はあります。

飛行機と同様に暦日や飛行時間で大掛かりな点検が必要になりますので、格納庫で整備・点検作業を行います。

ここで飛行機と違うのが、ドック整備においても少人数で担当しているという点でしょうか。

機体は小さいですが、中身は飛行機と変わらないようなシステムがぎゅっと詰まっているので、非常に密度が濃いです。

それどころか、ヘリコプターはエンジンの出力を軸の回転として取り出して、それをメインローターに伝えていますので駆動系統が非常に複雑で部品点数も多いです。

そういった意味で、エアラインからヘリコプター業界に移ってこられた整備士は口をそろえて「ヘリの方が難しい」と言っています。

またフライト整備と同様に社会貢献に参加できるという点も大きな魅力だと思います。

民間企業で働いていても、受託整備などで自分の整備した機体が災害救助などで活躍しているところをテレビを通して見られると、非常にやりがいを感じます。

ドック整備(回)のやりがい

  • 少人数で担当するため、機体全体を見ることができる
  • 複雑な調整や部品交換が多く、技術力向上が実感できる
  • 社会貢献度の高い機体に携わることができる

ドック整備(回)に必要な資格

一等航空整備士もしくは二等航空整備士

まとめ

同じ航空整備士でも仕事内容やそのやりがいが全く違うという事が伝わったでしょうか。

それぞれに魅力のある仕事だと思います。

これから航空整備士を目指す皆さんには、ぜひ明確な目標を持って勉強していってほしいと思います!

一緒に空の世界で頑張ろうぜ!!

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