皆さんはビルの屋上などにヘリポートが設置されているのを見たことがあるでしょうか。
よくみるとHと書いてあるものとRと書かれているもの、2種類あることに気が付くと思います。
HとRの違いは着陸できるかどうか
『H』はHeliportのH
ビルや高層マンションに設置されているHマークは「緊急離着陸場」といって、火災等の緊急時には皆様が想像するヘリポートになります。
要はヘリコプターが着陸して、救助活動を行ったり、ヘリコプターで救急搬送をすることができるという事です。
『R』はRescueのR
こちらは緊急救助用スペースといって、実際にヘリコプターが着陸することは出来ません。
「H」との違いは広さや床面強度、消火設備や燃料の流出防止構造の有無などです。
着陸することができないため、救助はホバリング状態で行います。
HとR、高層ビルやタワマンに設置義務はあるの?
100mを超えるビルは緊急離着陸場(H)
設置義務ではありませんが、100mを超えるような高層ビル、タワーマンションは緊急離着陸場(H)の設置指導消防庁よりなされています。
しかしスペースや設備の問題で離着陸場の要件を満たせずに(R)となるビルもあるようです。
100m未満のビルは緊急救助用スペース(R)
一方、45mを超えるが100m未満の建築物に対しては緊急救助用スペース(R)の設置指導が行われます。
45mというのは15階建てがボーダーラインですね。
余談ですが、マンションやビルに14階建て、15階建てが多いのはこの45メートルというのが大きくかかわっているようで、45メートルを境に消防法、建築基準法の規制が厳しくなるそうです。
この(R)か(H)かというのもこれの一つですね。
病院のヘリポートは○Hではない?
同じ屋上ヘリポートであっても病院のヘリポートは○にHの表示ではありません。
この写真のように白十字の真ん中にHが描かれています。
これはICAO(国際民間航空機関)で定められた基準に従ったもので、国際的に標準的な表示になります。
普通、病院は白地に赤十字ですよね。
色が反転している理由は上空からの視認性を重視した結果とか言われています。
かつて東京の真ん中にガンガン飛ぶ屋上ヘリポートがあった!?
話しがあっち行ったりこっち行ったりで申し訳ないですが、もう一点だけ。
今でこそ東京のヘリポートといえば「東京ヘリポート」になりましたが、かつて屋上ヘリポートからヘリをガンガン飛ばしている時代がありました。
その象徴ともいえるのが品川にほど近い芝浦に位置する「芝浦ヘリポート」です。
この首都高速1号羽田線から見える、写真中央ビルの屋上にある青い施設が芝浦ヘリポートです。
ここは現在の朝日航洋が設置した非公共用ヘリポートで、東京キー局各局が取材ヘリを置いて、毎日ガンガン飛んでいました。
東京ヘリポートができてからは報道機もそちらに移り、しばらくは遊覧用、ドラマやCMの撮影用に使用されていましたが、東日本大震災で被害を受けて閉鎖したと聞きました。
もう今後は病院を除いて、非常用ではない通常の離着陸場としての屋上ヘリポートが造られることはほとんど無いんだろうなあと考えると少し寂しくもありますね。