整備士のおはなし

専門学校を卒業すれば合格率100%!? 航空整備士資格の難易度は

こんにちは、フライト兄貴です。

こんにちは、フライト兄貴です。

こんな方に向けて書きました

  • 航空整備士を目指す若者
  • 進路に迷っている高校生
  • 一旦は就職したけどやっぱり航空業界への夢が捨てきれない新卒サラリーマン

この記事を読んでいただくことで、航空整備士の資格についての難易度や、合格率を知ることができます。
そして整備士になるための具体的な試験内容を知ることでモチベーションアップにもつながるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

結論

  • 学科試験の合格率はバラつきはあるが、平均50%
  • わざと余力を残して「科目合格」を狙ている人もいるので、本気で勉強した人の合格率はもっと高い
  • 実地試験の難易度は学科試験とは比べ物にならないくらい高い

ということで、一つずつ解説していくので読んでいってくださいね^^

航空整備士の資格はこんなに種類がある

資格種類等級限定
一等航空整備士飛行機/回転翼陸上/水上
単発/多発
タービン/ピストン
あり(型式)
二等航空整備士飛行機/回転翼陸上/水上
単発/多発
タービン/ピストン
基本的になし
一等航空運航整備士飛行機/回転翼陸上/水上
単発/多発
タービン/ピストン
あり(型式)
二等航空運航整備士飛行機/回転翼陸上/水上
単発/多発
タービン/ピストン
基本的になし
航空工場整備士業務の種類

航空整備士の資格を書き出しました。

とりあえず等級や限定については置いておきましょう。

それでも表の一等航空整備士から二等航空運航整備士まで、それぞれ飛行機と回転翼機(ヘリコプター)がありますので、それだけで8種類あることになります。

ここではみなさんが最初に取得するであろう二等航空整備士の資格について解説したいと思います。

航空整備士と航空運航整備士の違いについてはこちらを参考にしてください。

試験内容

二等航空整備士の資格を取得するにはまず学科試験を受験する必要があります。

その後学校なり会社なりで勉強して、実地試験に合格すると晴れて航空整備士を名乗れるようになるのです!!

それぞれの試験内容を見ていきましょう

学科試験

試験の概要をまとめました。

科目数:4科目(法規、機体、発動機、電子装備品等)

問題形式:選択問題(4択もしくは5択)

回答方法:マークシート方式

問題数:20問(1問5点)

合否判定:70点

実施月:3月、7月、11月の年3回

法規については航空法において定められている内容についての科目です。
用語の定義等も試験範囲です。

機体は航空力学や機体に使用されている材料、部品の構造や原理に関する科目です。
消火剤に関する問題まであります。

発動機はエンジンです。
熱力学からエンジンの構造や出力計算、点検に関する科目です。

電子装備品等は電気・電子の基礎や機体に搭載される計器類、アビオニクスなどに関する科目です。

実地試験

科目数:5科目(基本技術、整備に必要な知見、整備に必要な技術、航空機の点検作業、動力装置の操作)

問題形式:口述、実技

問題数:たくさん

合否判定:全科目において判定基準に達していること

実施日:受験申込により遂次

「問題数:たくさん」と書きましたが、実地試験は基本技術1日とその他の実機に関する科目で1日の計2日かけて行われるもので、質問数は膨大になります。

後から振り返っても、いったいいくつ質問されたか分かりませんw

試験の範囲はそれこそ機体のすべてです。

よく試験に合格するには「機体が透けて見える」ようになれなんて言われますが、あれは本当ですw

機体のシステムはもちろんのこと、部品単位まで「構造」や「なぜその部品を採用しているのか」というところまで求められます。

もう少し具体的に説明すると、
基本技術では「グリーンブック」という本を基に出題されます。

内容は航空機の整備に必要な基本的な内容となっていて、機体や部品に使われる金属材料、非金属材料であったり、構造修理、作図知識、電気計測などの章があります。

その他4科目は実際に受験する機体の知識となっており、中でも「動力装置の操作」という科目は機体に乗り込んでエンジンをかけて各種システムの作動チェックを行う実技試験があります。

二等航空整備士の合格率

まずはそれぞれの合格率をみていきましょう。

学科試験

私の手元にある年度の資料だけで合格率は37%から68%まで差がありました。

なんでこんなに差があるのよ

正直ここまで差があるとは思いませんでした(笑)

この合格率の差を私なりに考察してみました。

理由① 実施月により受験者層が異なる

学科試験は専門学校生も社会人も同じ試験を受けます。
ただ専門学校生は卒業直前に実地試験を受験する。というスケジュールが予め決まっています。

そうなると遅くとも11月の試験で合格しなければいけない。

⇒7月の試験で3科目は科目合格を取って、残り1科目にしておこう

と作戦を練る学生がたくさんいます。笑
(科目合格は合格者数に含まれません)

そういう理由で11月の試験は合格率が高いのではないかと考えました。

理由② 出題傾向の変化

何年かに1度出題の傾向や回答方式の変更があります。

例えばここ10年で一番大きかったのは、
「正しいものはどれか」のような単純な選択式から「正しいものはいくつあるか」という出題に変わりました。
正確な知識が求められるようになった結果、合格率が落ちたことがありました。

ただ、どちらにしても学科試験においては過去問も公表されており、その出題傾向も大幅に変わることはありません(今のところ)

合格率もそれなりに高いことから、勉強すればそれほど難しい試験ではないと言えるでしょう。

ただし、出題のクセはあるので過去問での勉強は不可欠だと思いますよ!

実地試験

続いて実地試験の合格率ですが、こちらは完全非公開です!

専門学校においては合格率100%と謳う学校もあります。
でも…在籍する学生数に対する資格取得者数は公表されていません。

あくまで、試験を受験した人は全員合格してます!ということです。

なので分からないというのが結論ですが、実際の合格率はかなり高いと思います。

学校においても航空会社においても、合格レベルに達するまでは受験させてもらえないというパターンが多いからです。

これは学校なり航空会社と航空局の信頼関係の問題ですが、あまりにレベルの低い受験生を試験に送り込んでしまうと、整備品質を疑われて信用問題にも発展することになるからですね。

ということで実際の合格率は高いが、非公開のため詳しくは分かりません。

二等航空整備士の難易度

上記のように、試験の合格率はかなり高い部類に入るでしょう。

しかしこの合格率は専門学校で3年かけて勉強した結果であり、

社会人が仕事が終わったあとや、休日など休む時間を返上して勉強した結果です。

決して容易な試験ではないと断言できます。

例えば無資格で航空会社(ここではヘリコプターの運航会社を例に挙げます)に入った人は3年の実務経験を積む間に勉強し、受験します。

受験前の1年間は通常業務の時間を減らしてもらい、就業時間内に訓練を受けたり、実技の練習をして試験に臨むわけですが、寝ても覚めても勉強の事を考えていますw

でもそれって意外と苦ではなくて、仕事に直結することですし、実作業にも活かせます。

だんだん知識が増えていくことが楽しくなったりしますw

とはいえ、プライベートな時間を削って勉強する必要はあります。

具体的に何時間勉強すれば受かる!
とか
この参考書をやればオールオッケー!
みたいな類の試験ではないので定量的な難易度を示すのが難しくて申し訳ないです。

長丁場の試験勉強になるのは間違いないので、適度な息抜きやリフレッシュできる趣味などはあった方がいいと思います^^

恐ろしいことをたくさん書きましたが、コツコツやれば必ず合格できます!
勉強中の皆さん、諦めず頑張りましょう!!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

後半は脅しのような言葉をつづってしまいましたが、この苦労の上に「安全」や「安心」が成り立つのです。

例えば航空整備士が楽勝な試験だったとしましょう。

いくら資格を持っているとはいえ、そんな人が整備する飛行機に乗りたいとは思いませんよね?

自分の血と汗がにじむ努力によって、航空の安全が確保されていたり、お客様に安心して乗ってもらえると思うと努力し甲斐がありますよね。

航空整備士のやりがいってそういうところだと思います。

迷ってるみなさん!航空整備士への道を一歩踏み出してみませんか?

航空整備士になりたいけどどうしたらいいの?と思ったあなた!

こちらの記事を参考にしてみてくださいね

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